拒食症の人は、運動のしすぎ

< 拒食症の人は、運動のしすぎ>


 町を歩くと拒食症と思われる女性をよく見かけます。
 そういう人に限ってミニスカートをはいていたりしますが、最近は若い男の人の間にも、拒食症ではと思わせる人が多くなっています。

 この拒食症については肥満王国のアメリカでも激しくなっているようで、肥満と拒食症が共存するという奇妙な現象が問題となってきています。

 拒食症は、減量のために、せっかく食べたものを、吐いたりあるいは下剤を飲んで強引に身体の外に出したりしておこるものですが、対応策を間違えると死を招く原因となります。

 さて、このような拒食症の人には、運動のし過ぎが共通して見られる事が分かりました。

 これは、ノースカロライナ・チャペルヒル大学のCynthia M. Bulik博士らが、食事障害に関する専門誌であるInternational Journal of Eating Disorders誌(September, 2006)に報告したもので、拒食症の対応策を考えるうえで重要な知見であると注目を集めています。

 今までも、専門家の間では、拒食症や過食症のような食事障害には、過剰な運動が関係しているらしいと云われていました。
 しかし、それを積極的に研究した例はあまり無く、今回の研究で初めて明らかになったものです。

 研究では、そのような食事障害をもつと診断された336名の女性を対象にし、食事障害の症状、嗜好傾向、運動習慣などについて調べました。
 なお、運動については、1日3時間以上運動をする人や、例えば怪我や病気であっても運動を続けなければという強迫観念を持つ人を、“運動のし過ぎ”と定義しています。

 その結果、食事障害のタイプに拘わらず、運動のしすぎが共通に見られ、特に拒食症の女性の半数は運動しすぎであることがわかりました。
 そして、運動のし過ぎ傾向は、心配性・完全主義・粘着気質は、体重コントロールを気にする拒食症の人に共通していたそうです。

 このような女性は、スリムな体型を維持するため様々な方法を試すのですが、それが度を過ぎている事が原因のようです。

 以上の結果から、食事障害を持つ人には、極端な運動習慣があるかどうかを調べることが必要で、もしそのような傾向が強い場合は、特に注意が必要とされています。
 そしてそのような患者さんには、先ず健康な運動の程度をよく理解してもらう必要があると結論されています。


 雑誌のグラビアには、スリムなモデルばかりが出てきますが、あまり美しいとは感じません。
 痩せすぎず、また太り過ぎでもない、健康な女性が一番と思うのですが・・。


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