バイアグラは、セックス以外でも有効!

バイアグラは、セックス以外でも有効!


 バイアグラと聞くと、すぐにその方面のクスリといった印象なのですが、実
はそれ以外にも、いろいろな疾病にも有効であることがわかってきています。

 このHPでの何度か取り上げましたが、最近バイアグラの他の有効性について
まとめた評論がありました。
 この評論は、Harvard Men’s Health Watch(2007, August)に報告されたもの
ですが、それを基にバイアグラの知られざる効果をお知らせします。

 ご存知のようにバイアグラは、勃起不全症候群(ED)に有効な生活改善薬で、
同様の目的の薬にはレビトラ、シアリスなどがあります。
 いずれも血管を拡張し、ペニスへの血液量を増加させることで勃起を起こさ
せるもので、その効果には定評があります。

 さて、この血管に対する作用はペニスへの血液を増やすだけでなく、体全身
の臓器の血液流入量が増えることになりますので、さまざまな効果が期待でき
るわけです。
現時点で期待される効果として、
1)肺高血圧症(pulmonary hypertension):心臓から肺に血液を送る血管
(肺動脈)がせまくなって血液がとおりにくくなり、肺動脈の血圧(肺動脈圧)
が高くなる病気です。これに対しては、バイアグラが有効であることが以前か
ら知られており、特に新生児肺高血圧の症状改善に有効であるとの報告がなさ
れています(Pediatrics誌2006年4月号)。
2)高山病: 高地では肺動脈の血圧が高くなりますが、1)と同様に血圧低
下させて、低酸素状態でも運動能力が回復することがわかっています。
3)レイノー症(Raynaud’s phenomenon): レイノー現象とは血行不良によ
り、手足の指が急速に真っ白になる現象ですが、これに対してもバイアグラ
レビトラが有効であることが分かっています。
4)心疾患: 鬱血性心不全(CHF, congestive heart failure)や拡張機能
害(diastolic dysfunction)にバイアグラが有効であることが報告されています。

 ちなみにバイアグラの副作用は、顔などのホテリがあり、約15%の人が経験す
るようです。また、鼻づまり、消化不良、腰痛なども報告されています。
 これらの副作用は比較的マイルドで一時的なものですが、血管を広がりすぎる
事による急激な血圧低下は危険です。
 特に狭心症などで、硝酸塩や硝酸塩貼付剤を使用している男性は、禁忌です。
 これらの人は、EDであろうとなんであろうと、バイアグラの服用はやめてくだ
さいね。


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