中国産コケ由来のサプリメントが、アルツハイマー薬として有望。

● 中国産コケ由来のサプリメントが、アルツハイマー薬として有望。


 ご存知のように、超高齢化社会を迎えて、アルツハイマー性痴呆が深刻な問
題となっています。
 各国の研究者がしのぎを削って、アルツハイマー病の治療薬を研究していま
すが、未だに特効薬は見つからないでいます。

 ところが今回、中国産の苔の一種ヒカゲノカズラ(学名:Huperzia serrata)
の抽出物が、アルツハイマー性痴呆の特効薬になる可能性があると注目を集め
ています。

 これは、フウプァジーン(huperzine A; HOOP-ur-zeen)と呼ばれる栄養
サプリメントで、全米28の施設で実際に有効であるかどうかの試験が開始さ
れるという事です。

 今回の臨床研究の指導者であるジョージタウン大学医学部Paul Aisen教授が
述べたところでは、今回の研究はフェーズIIと呼ばれる安全性と有効性を調べ
るためのもので、55歳以上の150名のアルツハイマー病患者を対象として
臨床研究を行うとの事です。
 また、厳格なプラセボコントロール試験をおき、最初の16週間はプラセボ
試験を、次いで少なくとも8ヶ月間の試験を行うとされています。

 フウプァジーンは、中国の伝統薬として用いられている苔からの抽出産物で、
今までの小規模な試験では、FDAから承認されているアルツハイマー薬と同等か
それ以上のコリンエステラーゼ阻害作用を有するそうです。

 ちなみに、フウプァジーンは既に中国ではアルツハイマーの治療に用いられ
ており、また2004年春には米国国立老化研究所(National Institute on Aging
(NIA))が、アルツハイマー症の初期から中期の人の治療薬として小規模な臨床
試験を行った経緯があります。

 また、中国での試験成績によると、現在市販のアルツハイマー治療薬よりも
効果があり安全性も高かったということです。

 アルツハイマー性痴呆の特効薬や今のところ知られていませんので、大いに
期待されます。


□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□

 今日の話題は如何でしたか?

 ・既刊号は、ホームページ「http://www.drhase.info」をご覧下さい。

 ・メールマガジンをお届けしています。ご希望の方は、上記ホームページよ
  り登録なさってください。

 ・また、情報交換の場として、「http://d.hatena.ne.jp/Drhase/」のコメ
  ントコーナーもご覧下さい。