携帯電話:睡眠障害を起さない!?

● 携帯電話:睡眠障害を起さない!?


 携帯電話は、我々の生活には欠かせないものとなってきました。我家でも全
員1台づつ持っていますが、恐らくお宅の家庭でも同様と思います。

 さて、携帯電話の電波が健康被害をもたらしているのではないかとの心配は、
どなたもお持ちではないでしょうか?
 これを気にした総務省が、“携帯の電波は人間の睡眠を促す脳内ホルモンに
悪影響をおよぼさない”、とする実験結果を発表したのでお知らせします。

 この調査は、同省の生体電磁環境研究推進委員会が行っている、電波の安全
性に関する調査の一環です。

 発表によりますと、携帯の電波が睡眠に与える影響を調べるため、408匹の
ラットを用いて実験を行いました。
 そして、電波をばく露したラット群と、電波被ばくを行わないラット群につ
いて、メラトニンおよびセロトニン値を調べました。

 ご存知のように、セロトニンアミノ酸からなる神経伝達物質で、精神を安
定させる作用があります。またメラトニンは、人間の脳にある松果体でセロト
ニンから合成されるホルモンで、睡眠、覚醒のサイクルに作用することで知ら
れています。

 ちなみに今回の実験では、7.5ワットパーキログラムという、電波防護指針の
基準値より数倍強い電波を用いました。

 なお実験としては、2002年度と2003年度には短期的影響を調べるために、
1回4時間の電波ばく露実験を、また2004年度には中長期的影響を調べるために、
1日1時間の電波ばく露実験を4週間行ったそうです。

 その結果、ばく露を行ったラット群と行わなかったラット群の間で、メラト
ニン値やセロトニン値にほとんど差がなく、睡眠・覚醒に作用する脳内ホルモ
ンに悪影響がないことがわかりました。

 総務省はこれまでも、“携帯の電波は学習能力に悪影響がない”とする実験
結果なども発表していますが、この発表と合わせて、“携帯の電波は、人間の
学習能力や、睡眠を促す脳内ホルモンに悪影響をおよぼさない”と結論してい
ます。

 しかし、このような健康上の問題がないからといって、電車の中などでの携
帯使用は迷惑になりますのでご注意を!


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