3歳まで睡眠不足だと、将来肥満になりやすい。
● 3歳まで睡眠不足だと、将来肥満になりやすい。
肥満と、日頃の睡眠不足とは、強い相互関係があるといわれています。
ところが単に今、睡眠が足りていても、幼児の頃に睡眠不足だった場合にも、
肥満になる傾向が強いそうです。
これは、富山大の関根道和・助教授(公衆衛生学)らが、日本睡眠学会で発
表したものです。
研究では、1989年度に富山県内で生まれ、3歳健診時に調査した約1万
人の子どもたちのうち、その後に継続調査できた5、520人を対象にして調
べたものです。
ちなみにこの調査では、3歳児の段階ですでに肥満だった幼児は除いている
との事で、その後に肥満になった子供に限っての結果だそうです。
その結果によると、睡眠時間が10時間台、及び11時間以上の3歳児はい
ずれも中1までに約12%が肥満になっており、9時間台では15%、9時間
未満では20%だったそうです。
即ち、11時間以上睡眠をとった3歳児に比べて、9時間台しか眠らなかっ
た子供は1.24倍、9時間未満の子供では、1.59倍に肥満になる頻度が
高くなっていました。
即ち、睡眠時間が短い幼児はその後の中学時代にまで肥満となるリスクが高
く、この結果から、小児の肥満やその後の生活習慣病を防ぐためには、家族や
地域が協力して幼児の睡眠を守る事が重要である、と結論されています。
原因としては、睡眠時間が短いと成長ホルモンの分泌が悪くなり、そのため
血糖値があがったりしている可能性が考えられるそうです。
また、幼児期での睡眠不足は、内分泌を制御する脳にも悪影響を与えている
可能性の示唆されるそうです。
昔から、“よく眠る子はよく育つ”といわれていますが、これは身体が異常
に大きくなることではなく、“健全な子供”に育つには、よく眠る環境を作っ
てあげる事が重要ということのようです。
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