判断に困ったら、直感に従え!

● 判断に困ったら、直感に従え!


 様々な場面で、右に行くか、左にするかの判断が必要な事が多々あります。
 そのような時は、考え込んだり迷ったりするのが普通ですが、あまり深刻に
ならず、本能に従い、直感で判断した方がよい結果をもたらすかもしれないと
いう話題です。

 これは、英国University College London心理学部Li Zhaoping博士が、生
物学誌journal Current Biology(2007, January 8)に報告したたもので、な
んとなくホッと安心できる報告でしたのでお知らせします。

 研究では、10名のボランティアの人に、一枚の絵の中に、あるデザインの図
形と、それとは異なる様々な図形が描かれた絵を見てもらい、目的のとは異な
る図形を選んでもらうという試験をしました。
 それを650種の図柄について調べたのだそうですが、図形は基のデザインが裏
返しだったり、逆方向になったりしたものから選ぶというものだったそうです。

 そして、その図形を選択する際、考える時間を全く与えないで直ぐに答えて
もらったり、或はある程度の時間を与えて、見直す時間のある条件下で選択し
てもらい、その正解率を比較しました。

 その結果、見直す時間がない場合は正解率は95%だったのに対し、1.5秒程度
の見直しが許される環境下では70%の正解率に低下していたそうです。

 即ち、考えたり見直したりする時間がなく、直感で判断する方が良い結果を
与えるという訳です。
 また、見直しの時間を4秒以上にすると、正解率は上がり、直感で判断した
時と同じ正解率になったそうです。

 研究者によると、図形が逆になっている場合では、直感的には別の図形であ
ると区別していたのに対し、理性を基にした判断では、これらの図形は同じも
のであると認識していたとの事です。
 即ち、理性的な脳は、例えばリンゴを裏から見ても、やはりリンゴだと認識
するのに対し、直感的な脳は異なる物質と認識するのだそうです。

 理性的な脳の判断と直感的な脳の判断が異なる場合は、十分に時間があれば
その違いを確認し、正確な判断ができるようになります。
 しかし、そのような理性脳が働くには、目を通して情報が脳に到達し、判断
しなければなりません。
 ところが、脳がその判断をする前に元の図形が消えてしまったりすると、理
性脳の判断と直感による判断とがごちゃごちゃになり、正解率が低下してしま
うのではないかと云う訳です。


 いかなる場合も直感が正しいとは言いませんが、瞬時に判断する時には、確
かに直感は正しい判断をおこなうような気がします。
 人間は、理性的な判断が出来ない状況下でも、十分対応できるような機敏な
頭脳を持っているのかもしれません。
 という事は、何か重大な事態の遭遇した際には、あまり悩まずに、エイヤッ
と直感に任せて行動するのがよいのかもしれませんね。
 危険な賭けになるかもしれませんが・・・。


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