ネコもアルツハイマー病に・・・。

●ネコもアルツハイマー病に・・・。


 近所に、年をとった、動きの悪いネコがいます。時々、車の下にもぐり込ん
で寝ているのですが、車に轢かれてペチャンコになっていないかと気になって
います。

 さて、最近の研究によると、ネコもアルツハイマー病にかかる事が分かりま
した。ひょっとするとあのネコも、痴呆症ではないかと心配しているところです。

 ネコにもアルツハイマー痴呆症があるという報告は、英エジンバラ大学王立
獣医学部Danielle Gunn-Moore氏らが、獣医学誌Journal of Feline Medicine
(2006, Dec. issue)に報告したものです。

 ヒトのアルツハイマー病では、アミロイドベータといわれるタンパクが脳に
付着し、斑点が生ずる事が特徴です。
 今回の研究で、そのような斑点が認知症のネコの脳にもあり、ヒトと同様の
機構によってアルツハイマー病を起こしているらしい事がわかりました。
 更に、ネコの脳細胞に出来る、知的機能の低下をもたらす蛋白の特定にも成
功したとのことです。

 今までも、ネコに認知症があるらしいとされていたのですが、飼いネコもヒ
トと同じように寿命が延び、そのために認知症を発症する率も高くなっている
そうです。
 この研究者によると、11〜14歳の飼いネコの28%、15歳以上の場合では50%
以上が、加齢による行動障害の少なくとも1つを発症しているとのことです。


 ところで、ネコの寿命はヒトに比べて短く、そのためアルツハイマー病と、
食事、高血圧、薬などの関係を調べる事が、人を用いるよりも簡単に出来ます。
 従って、今後は、このアルツハイマー・ネコを用いた研究が盛んになること
が期待されます。

 ちなみに、ネコの場合も、よい食事、精神的刺激、飼い主との良好な関係(対
人関係)が、認知症になるリスクを減らすということです。
 ネコの研究により、ヒトのアルツハイマー症の克服に役立つ事が期待されます。
 勿論、ネコ自身の痴呆症の予防にも。


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