アガリクスは、本当にガンに利く? 副作用は?

アガリクスは、本当にガンに利く? 副作用は?


 アガリスクは、学名アガリクス・ブラゼイ・ムリルといわれる(日本名:カ
ワリハラタケ、ヒメマツタケの一種)、ブラジル原産のキノコの一種です。
 以前からガンを抑えるとして人気の健康食品となっています。

 ところが、逆にキリンウェルフーズ社製のアガリスク商品には発がんを促進
する可能性があるとの実験結果を厚生労働省が発表し、大問題となりました。

 同社はすでに回収処置をとりましたが、それ以降も、本当にアガリクスは抗
ガン効果があるのか、あるいは逆に害があるのではないかとの議論が続いてい
ます。

 さて、問題の製品はアガリクスを乾燥させて粉末化し顆粒状にした、「キリ
細胞壁破砕アガリクス顆粒」です。
 このアガリクス顆粒を発がん物質を投与したラットに与えたところ、アガリ
クスを与えなかったラットに比べて、がんになる割合が高くなったことが報告
され問題となった訳です。

 同社が発売している他の2製品でがそのような異常は出なかったそうですが、
アガリクス製品は他の会社からも多く発売されています。

 しかしそれらについては、発ガン性を高める作用があるかどうかは全く調べ
られていません。
 実験費用は数千万円に登り、また最近出来たガイドライン通りに実験すれば
費用は億単位になるため、すべての製品については調べることが出来ないのだ
そうですが、何とかならないものでしょうか。

 また、大阪府立成人病センターの佐々木洋部長らも、昨年の日本肝臓学会に
て、アガリクスにはがんの再発予防効果は認められなかったとの結果を発表し
ています。
 肝臓がんで手術を受けた患者さん40人に2年間、毎日3回ずつアガリクス
を食べてもらい、食べない40人と比べたものですが、がんが再発しないまま
3年間生存できた患者は、食べた人で30%、食べない人で36%だったそう
です。

 また別の研究ですが、副作用の疑い例も報告されています。
 アガリクスを食べて劇症肝炎を起こした乳がん患者など3人のケースが、国
立がんセンターの医師らにより日本癌治療学会で発表されています。

 残念ながら、今のところ断片的な報告しか見当たらず、アガリクスについて
のヒトでの有効性と安全性について信頼できる調査結果はないようです。

 しかし私の知り合いに、藁にもすがる思いでアガリスクに期待し、高いお金
を支払って購入している人がいらっしゃいますが、一日も早く、アガリクス
本当に有効なのかどうかを明らかにしていただきたいと願っています。

 なおアガリクスに関して詳しくお知りになりたい方は、国立健康・栄養研究
所のホームページ(http://www.nih.go.jp/eiken/)「健康食品安全情報」を
ご覧ください。

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