「大豆は心臓に良い」というのは本当？

● 「大豆は心臓に良い」というのは本当？

　一般に、大豆食品は、心臓病・ガン・その他の疾病予防に非常に有効である
と信じられています。
　しかし最近の研究によると、この一般論については少々修正が必要で、特に
大豆食品がコレステロールの低下に良いとされてきたことについては、それほ
どの効果ないと言う事です。

　これはハーバード大学の米Frank M. Sacks教授が、米国医学雑誌「循環器
（Circulation, 2006, Feb.14）」に報告したものです。

　１日25g以上の大豆蛋白を摂取するとコレステロール値が下がると言う報告
を基に、1999年には米国食品局のFDAは製造メーカーに対して、「大豆製品は、
心疾患のリスクを下げる可能性がある」との表現を許可しました。
　また2000年には、全米心臓協会（American Heart Association (AHA)）も、大
豆をコレステロールを下げる食品として推奨した経緯があります。

　そこで今回の研究では、過去１０年間に報告されている２２の研究について、
本当に大豆食が有効であるかの再評価を行いました。

　その結果、大豆タンパク質を多く摂っても、悪玉コレステロールのLDLは僅か
３％程度しか下がらず、また善玉コレステロールHDLを増やす効果も認められな
いことが分かりました。

　更に、大豆に含まれるイソフラボンに関する１９の研究についても再評価し
たところ、心臓疾患の危険因子である血液中の悪玉コレステロール値やトリグ
リセリド値に、変化は見られない事が分かりました。

　しかし、今回の報告は、豆腐などの大豆食品が健康に悪いと言っているので
はありません。
　依然、大豆製品は健康的な食品である事には間違いないのですが、大豆タン
パク質が特別にコレステロール値を下げるという効果はないとし
ているだけです。
　誤解なさりませんように。

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