赤身肉がガンのリスクを高める。

●赤身肉がガンのリスクを高める。

 
 このところ、国内での大腸癌(結腸+直腸)の増加率はすさまじくなってい
ます。
 大腸癌が胃癌に追いつくのは時間の問題と思われ、近い将来には、最も多い
癌になると予想されています。
 これは食生活の欧米化に伴ったものとされていますが、単に日本国内だけで
なく、欧米でも大問題です。
 そこで、最近報告された大腸癌の原因についての研究レポートについてお知
らせします。

 これは、Dunn Human 栄養機構及びOpen大学David Shuker教授らのグループ
が、ガン専門誌であるCancer Research(2006、Feb.)に報告したもので、赤身
肉の大量消費は体内のDNAにダメージを与え、これがガンの発生と強く関係し
ている述べられています。

 今までの研究で、通常よく肉を食べる人は大腸ガンになりやすい事が分かっ
ています。
 この研究チームも昨年、毎日2回以上肉を食べる人は、週1回程度しか食べ
ない人に比べて、大腸ガンになる頻度は3倍高い事を報告していました。

 そこで研究では健康なボランティアの人に、様々な食事してもらい、その後
に大腸の内側の細胞を採取して、発ガンの原因と考えられるDNAのダメージの
程度を調べました。

 その結果、赤身肉を食べる人では細胞にあるDNAダメージが高くなってい
る事が確認されました。論文では、このDNAダメージは、赤身肉を食べた時に、
大腸にて出来る代謝産物のN−ニトロソ化合物(N-nitroso compound)により
生じ、これが発ガンを起こす原因であるとしています。

 ご存知のように、ニトロソ化合物は遺伝子の化学変異剤として有名なもので
すが、これがDNAと結合してDNAに変異を起こさせ、ガンを発生されると
考えられる訳です。

冒頭に述べましたように、大腸癌は今後ますます増加するやっかいな癌です。
脂肪や肉を多く食べるのに対し、食物繊維や野菜・果物をあまり食べないと
いう現代の食習慣の問題であると思われますので、皆様、是非食習慣の見直し
をなさってみては如何でしょうか?


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