米国患者さんの医師に対する不満。

● 米国患者さんの医師に対する不満。


 最近、日本国内でも、医師の治療法に対して疑問を発する人が多くなり、実
際、訴訟にまでいくケースが増えてきました。

 患者だからといって、医師の処方や治療に対して、無条件に我慢しなければ
ならない理由はありませんが、そのような風潮は、我国以上に米国では強いと
思います。
 さて、今回、米国での患者さん、医師双方の、治療に対する不満が報告され
ましたので、お知らせします。

 これは、39,000人の患者さんと335人の主治医について調査した結果で、米国
消費者レポート(Consumer Reports, February 2007; pp 32-36)の2007年2
月号に報告されたものです。

 それによりますと、患者さんの不満第一位は、待合室での待ち時間だそうで、
我国の患者さんの不満と同じようです。

 そして、医師との関係は一応は満足はしているものの、医師との間の意思疎
通は問題がありそうで、バラ色の関係からかけ離れているようです。

 この2006年下四半期おこなわれたConsumer Reports結果によると、患者の医
師に対する不満の第一位は、待合室での待ち時間で、1/4の人(24%)が30分以
上待たされると不満を述べていたそうです。
 それに続く患者側の不満としては、
 ・ その週の予約が出来ない:19%
 ・ 診察時間が短い:9%
 ・ 検査結果を早く教えてくれない:7%
 ・ 電話での質問に直ぐに答えてくれない:6%

 一方、医師からの患者に対する不満としては、患者が治療方針に従ってくれな
いというもので、10人中6名の医師(59%)が不満を述べています。
 その他の医師側の不満としては、
 ・ 診察を受けに来るまで、遅すぎる:41%
 ・ 自分の症状を言いたがらない:32%
 ・ 不必要な検査を要求する:31%
 ・ 不必要な治療を要求する:28%
 などだそうです。

 これらの結果を基にこのレポートは、、患者がうまく医師に診てもらうには、
次の事を心がけるのがよいと述べています。
 ・ 医師に診てもらう前に、友人や親戚の人などから情報を仕入れておく。
 ・ 健康情報をみる場合には、情報の発信元の信頼性をよく調べる。
 ・ 医師に診てもらう前に、質問事項をまとめておく。
 ・ 診察時間内で質問が終わらないような時には、emailなどで診察後に質問する。
 ・ 診察の際に、友人や家族と共に行き、医師の話を同時に聞いてもらうようにする。
 ・ 正直に恥ずかしがらないで、症状や問題点を話す。
 ・ 医師のアドバイスに従う。例えば、薬を止めるように言われるまで、飲み続ける。
 ・ 医師の治療を信用して、辛抱強く治療に当たる。
 ・ その医師が信用できない場合など、必要ならば医師を代える。
 ・ 薬の広告に飛びつかない。薬が有効であるかどうかは、医師の判断に任せる。


 以上の事項は、我国でも当てはまります。
 皆様、医師の診察を受ける際には、これらを思い出し、的確な診療を受ける
ようになさってください。
 そして医師の皆様も、くれぐれも誤診をなさりませんよう。


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