英米で大反響: 緑茶が長寿に効果あり。

英米で大反響: 緑茶が長寿に効果あり。


 緑茶が身体にいいことは、日本人の常識です。
 この常識は世界に認められつつあるのですが、先日、全米医学誌に日本人研
究者の論文が掲載されて以来、“ジャパニース・パラドックス”として、大反
響を巻き起こしているという嬉しいニュースです。

 これは先日、東北大学の栗山進一助教授等が、全米医学学会誌Journal of the
American Medical Association(2006, Sep. 13)に報告したものが、発端
になっているようです。

 研究では、1994年に40〜79歳だった宮城県内の4万530人(男性1万9,060人、
女性2万1,470人)を対象に、1995年から11年間にわたって、健康に関する追跡
調査をしました。
 そして、その間に亡くなった4,209人について、1日に飲むお茶の量によって
四つのグループに分け、死亡率や死因などに差があるかを調べました。

 その結果、1日にお茶を5杯以上飲むグループの死亡率は、最も飲まない1杯
未満のグループに比べ、男性で12%、女性で23%低かったそうです。
 特に、動脈硬化が原因となる脳こうそくでは、お茶を多く飲む人では男性で
42%、女性で62%も死亡率が低下していることが明らかになりました。

 このように、緑茶の効果は女性の場合に強く認められたのですが、どうもそ
の背景には男性の喫煙率の高さがあるようです。
  また、このような効果は緑茶特有のもので、紅茶やウーロン茶などを飲む
人では、効果は見られなかったとされています。
 そして、残念ながら、がんによる死亡を防ぐといった効果も確認されなかっ
たという事です。

 これが元々の論文内容なのですが、英国心臓基金のEllen Mason氏は、”日
本食はそれ自体で健康食であり、常時西洋食を摂っている人にはこのような緑
茶の効果があるかどうかは疑問”、とコメントしています。
 日本での心疾患の発症率が世界で最も低いのは、日頃食べる日本食が良いの
であって、それに更に緑茶を合わせて飲む事により効果が高まる、というもの
です。
 即ち、油分の多い西洋食を摂っている人が、慌てて緑茶を飲んでも効果があ
るかどうかはわからないという訳です。

 しかし、それはそれとして、日頃日本食を食べ、毎日緑茶を飲んでいる我々
にとって、嬉しいニュースであることに変わりはありません。
 そして、日本食と緑茶の素晴らしさが改めて取り上げられた訳ですので、我
々日本人は大いに胸を張ってよいのではないでしょうか?


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