スターバックス:成長ホルモンを使用した牛の乳製品の使用を停止。

スターバックス:成長ホルモンを使用した牛の乳製品の使用を停止。


 先日、スターバックストランス脂肪酸を使用した製品の使用を止めること
決めましたが、今度は成長ホルモンを用いて育てた牛からの乳製品の使用を止
めると発表しました。

 これは、世界最大手コーヒーチェーンであるスターバックス(本社・シアト
ル)が発表したもので、成長促進ホルモンを投与された牛の乳製品の使用を、
米国内の全店舗でやめる方針を明らかにしています(1月17日)。

 家畜の成長を早めるために、成長ホルモンを投与する事が行われています。
 以前は成長ホルモンは高価だったのですが、最近の遺伝子組み換え技術の進
歩により、安価に成長促進ホルモンrBGH(recombinant bovine growth hormone)
が出来るようになり、家畜の成長促進のために使用されるようになりました。

 ちなみに、rBGHは遺伝子組み換え作物で名高い米バイオ大手のモンサント
開発し、1993年に米食品医薬品局(FDA)が承認しています。
 このrBGHで育てると、牛乳生産量を10%〜15%も上昇させるそうで、米国内
の牛農家に急速に普及していました。
 しかし、このような成長ホルモンを与えられ、育った牛などの乳製品や食肉
には、発がんのリスクを高める副作用の危険性が指摘されてきました。
 実際、カナダなどでは使用が禁止になっている程です。

 このような状況を鑑み、スターバックスは、自社で使用するミルクやクリー
ムについて、成長ホルモンで育った牛からの乳製品を取り止め、自然に育てら
れた牛のものへと切り替えることにしました。

 しかし、現時点では全ての乳製品について自然のものへ切り替えるのは供給
量に限りがあるため難しく、今のところワシントン、オレゴン、アイダホなど
8州に限定されているようです。
 時期は未定との事ですが、今後は全米約5,600店舗を、ホルモンフリーの乳
製品使用にするのだそうです。

 さすがは、イメージを大事にするスターバックスだけの事はあると感心して
いるのですが、今後も、食物の安全に対する消費者意識の高まりを意識し、企
業イメージ向上に結びつける企業が増加すると思われ、その動向が注目されま
す。

 日本では雪印乳業に続いて、不二家製品の安全性が大問題となっていますが、
国内企業も消費者の健康と、自社ブランドイメージを大切にした経営感覚が求
められます。


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