風邪薬:肝臓障害に注意。

●風邪薬:肝臓障害に注意。


 このところ、発熱や頭痛など、風邪症状をうったえる方が多くなっています。
 例年に比べて暖冬で、インフルエンザに罹る人も少ないのですが、それでも
体調を崩す人が多いようです。

 風邪症状が出たら、先ず薬局等で風邪薬を手に入れ、自分で治そうとするの
が普通ですが、市販の風邪薬を飲みすぎたりすると、肝臓障害などの重大な副
作用を起す可能性がありますので、改めてお知らせします。

 これは、先日、米国食品医薬品局(FDA)が製薬メーカーに対して行った
もので、日本でも広く市販されている風邪薬や、頭痛などの痛み止めの薬に含
まれる成分を過剰に摂取したり、このような成分をお酒と共に飲んだりすると、
肝臓障害や胃の出血などの重大な副作用を引き起こす危険性があると、消費者
に注意を喚起するように求めた、というニュースです。

 このFDAが勧告した薬は、解熱、鎮痛剤として用いられるアセトアミノフ
ェン、非ステロイド系抗炎症薬のアスピリンイブプロフェン、ケトプロフェ
ン、ナプロキセンアセトアミノフェンなどで、多量に服用する際に肝臓障害の
危険性があることを、添付文書に明記するよう勧告しています。
 また、非ステロイド系抗炎症薬については、肝臓障害だけでなく、胃の出血
も起こす可能性があることも併記するよう求めています。

 さらに、これらの薬を飲んだ後に飲酒をしたり、あるいは複数の薬を併用し
たりすると、体内での成分の濃度が高まり、副作用の危険性が高くなります。

 実際、風邪薬の副作用により、毎年数千人の死亡者が出ているとの調査結果
もありますので、注意が必要です。

 病気というと、すぐ「薬」となってしまうのが、日本人の悪い癖です。
 総合感冒薬は、あくまでも対症薬で、風邪のウイルスをやっつけてくれるわ
けでありません。
 身体が、せきや発熱で、あなたの生活習慣について「このままでは危ないで
すよ」と教えてくれていると考えて、栄養と睡眠を摂る事が重要です。

 「かかったかな?」と思った時には、すでに感染から2〜3日は経っており、
薬で症状をおさえたところで、早く治るわけではありません。
 そんな時はやはり、じっくり休むのが、結局は一番の近道です。


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