梅肉エキス:胃がんの原因菌ピロリ菌を抑える

梅肉エキス:胃がんの原因菌ピロリ菌を抑える


 H.ピロリは胃がん胃潰瘍の原因菌で、この菌を発見した研究者が一昨年の
ノーベル医学賞を受賞したほど、注目を集めているものです。
 この菌を胃から除くには、国内では3種の異なる薬剤を用いた3剤併用除菌療
法が行われており、この療法で菌を除くと胃がんの発生率が大幅に低下する事
が知られています。

 ところが、このような除菌療法を用いなくても、日本古来からの梅肉エキス
を飲むとピロリ菌に対する抗菌作用がある事が分かりました。

 これは第13回日本消化器関連学会週間のDDW-Japanミーティングで、社会保
滋賀病院内科の中島滋美氏が報告したものです。

 ご存知のように、梅肉エキスとは、熟していない梅の絞り汁を煮つめて黒色
のペースト状にしたもので、昔からお腹の調子が悪い時にホンの少しなめると
良いといわれてきたものです。

 研究では、ピロリ菌陽性患者22人に約130mLの1%梅肉エキスを1日2回
(朝食前と就寝前)12週間服用してもらい、飲用前と2、4、12週間後にピロ
リ菌の有無を調べる尿素呼気試験を行いました。

 その結果、12人(60%)の被験者が、2週間後には尿素呼気試験の数値が10
%以上低下しており、うち3人は正常値に近い値に低下したそうです。

 このことから、ピロリ菌陽性の除菌には、梅肉エキスが通常の薬剤併用療法
代替医療として利用できる可能性があるとしています。

 私の家でも昔から、お腹の調子が悪い時にはマッチ棒の先っちょにホンの少
梅肉エキスをつけてなめていたものでしたが、昔の人の知恵には感心します
ね。


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