鶏肉を多く食べる人は、大腸癌になりにくい。

● 鶏肉を多く食べる人は、大腸癌になりにくい。

 大腸癌になる人が最近増えてきています。その原因として、西洋食を食べる
機会が多くなってきたからだと言う説がありますが、厚生労働省もこの事態を
重く見て、その研究に膨大な資金を投入しています。

 そこで、今回は最近発表された、鶏肉好きの人は大腸癌になりにくいという
論文についてお知らせします。

 これは、Dartmouth 医科大学のDouglas J. Robertson博士らが、医学誌American
Journal of Gastroenterology(Robertson, D.J.; vol 100: pp 2789-2795.2005)
に報告したものです。

 研究では、1,520人のボランティアについて、食べ物の嗜好性と、大腸癌の
前駆体である大腸ポリポーシス、アデノーマの頻度を調べました。

 その結果、鶏肉を多く食べる人は、下部消化器官に異常が生ずる頻度が、あ
まり鶏肉を食べない人よりも21%も少ない事が分かりました。
 また、進行性の大腸癌になる頻度は、39%も低かったそうです。

 またこの論文には、その他の食物摂取と大腸癌の危険率についても述べられ
ています。
 それによりますと、
・大腸癌のリスクを下げるには、繊維質の食べ物を多く摂る。特に、果物、野
菜及び穀物などの繊維質を摂る人では大腸癌の危険率は低い。
・ 赤身肉や脂肪の摂取しても、大腸癌のリスクは高まらない。
・ 魚を多く食べるからといって、大腸癌になりにくくなるとはいえない。
・ 加工肉を多く食べる人は、進行性のアデノーマになる危険率が高い。

 これらを総合して、大腸癌の危険率を低下させるには、鶏肉を多く取ること、
加工肉をなるべく食べない事が重要で、鶏肉に含まれるセレニウムイオンとカ
ルシュームが良いのではないかと述べられています。
 また、鶏肉を食べる人はその他の加工肉を食べる機会が少なく、大腸癌にな
りにくいという可能性も考えられるそうです。

 冒頭に述べましたように、大腸癌にかかる人が増えています。食事が大きな
影響を与えることは明らかですので、充分ご注意ください。

 
□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□

 今日の話題は如何でしたか?

 ・既刊号は、ホームページ「http://www.drhase.info」をご覧下さい。

 ・メールマガジンをお届けしています。ご希望の方は、上記ホームページよ
  り登録なさってください。

 ・また、情報交換の場として、「http://d.hatena.ne.jp/Drhase/」のコメ
  ントコーナーもご覧下さい。