C型慢性肝炎の治療に、緑茶が効果!

● C型慢性肝炎の治療に、緑茶が効果!

 C型慢性肝炎は、C型肝炎ウイルスHCV)の感染によって起こるもので、慢
性肝炎から肝硬変、そして肝癌へと移行する厄介な感染症です。
 この治療には、HCVウイルスを除くのが最も効果的な治療法で、最近ではIFN
インターフェロン)とリバビリンの併用治療が有効となってきています。

 しかし確かに以前に比べると治療効果が高まってきてはいるのですが、依然
治療成績は低く、ウイルスの種類によってはその除去率は10%程度の厄介な感
染症です。

 ところが、このIFNとリバビリンの併用療法を受けている患者さんに緑茶を
飲んでもらうと、C型慢性肝炎治療の陰性化率アップする事が分かりました。

 以前より掛川市立総合病院(五島一征院長)では、難治性C型慢性肝炎に対
するペグインターフェロンリバビリン併用療法、および粉末緑茶併用の効果
の上乗せ効果についての臨床試験が進められてきていました。

 そして最近の報告によると、同院の難治性C型慢性肝炎患者さん23人(男性
10人、女性13人)に対しては、治療開始後4週間目のHCV-RNA定性検査による
陰性化率は約26%(6人が陰性化)しており、また治療開始後4週間目におけ
ペグインターフェロンリバビリン併用療法の開発治験時の陰性化率9.2%
(23人/249人)と比較して、2倍以上の陰性化率を認めたということです。

 この試験に参加した患者さんには、治療開始前から粉末緑茶を食後3回、毎
日服用してもらい、その後ペグインターフェロンリバビリン併用と粉末緑茶
による併用療法を行いました。
 ちなみに投与方法は、ペグインターフェロンα-2b1.5μg/kgの皮下投与を
週1回、リバビリンは1日600〜800mgをインターフェロンの投与期間中(48週
間)毎日経口投与、緑茶粉末は治療開始前と同様、毎食後3回服用だそうです。

 その結果、治療開始後4週目には、23人中6人でウイルスが陰性化している
事が分かったという事です。
 最終的な効果判定は約1年半後に出るそうですが、完治率の改善が期待でき
るそうです。

 以前私も、C型慢性肝炎の治療効果を上げるための研究に従事したことがあり
ますが、日本の緑茶にそのような効果がある事を知り、大変心強く思います。

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