中年女性の髪が薄くなるのは、女性ホルモンの減少が原因

● 中年女性の髪が薄くなるのは、女性ホルモンの減少が原因

 頭髪の悩みは男性だけではなく、女性にも共通の問題です。特に中高年にな
り、薄毛でお悩みの方は非常に多くいらっしゃいます。
 そこで今回は、“女性の薄毛は、女性ホルモンの分泌減少により発毛に関係
する遺伝子の発現が低下していることが、その原因”であることが、最近の研
究で明らかになったという話題です。

 これは、(株)ライオンの研究者が、日本基礎老化学会第28回大会で報告し
たものです。

 通常、30歳台になると女性が薄毛に悩み始め、40歳代になると急増する事が
知られています。
 またその時期に重なって、女性ホルモンの分泌量が減り、40歳代では急激に
低下することが知られています。
 このため、女性ホルモンの分泌低下と薄毛には、相関関係があると予想され
ていました。

 そこで、研究者等は、発毛促進に関係するBMP(Bone Morphogenetic Protein:
骨形成因子)と呼ばれるタンパク質の低下に注目し、BMPの遺伝子発現量が女
性ホルモンの減少により引き起こされるのではないかと考えました。

 培養した女性の毛髪の細胞(毛乳頭細胞)に女性ホルモンを添加して、その
影響を調べたところ、女性ホルモンが存在すると、BMP遺伝子の発現量が正常に
保たれる事が判りました。
 また逆に女性ホルモンが減少すると、発毛を促進するBMPの生成が抑制され
ることも確認されたそうです。

 更に、女性ホルモンは、毛乳頭細胞内に存在するホルモン受容体「Estrogen
receptor-β」(ER-β)の発現量を高める働きがあり、このER-βを通してBMP
の遺伝子発現も高まることが明らかになったそうです。

 この結果は、BMPの減少を抑える成分を開発することができれば、女性特有の
発毛促進剤の開発につながる可能性があり、(株)ライオンの研究陣は今後更
に研究を進めるという事です。

 有望な研究結果ですので、是非成功をしていただきたいと思います。

□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□

 今日の話題は如何でしたか?

 ・既刊号は、ホームページ「http://www.drhase.info」をご覧下さい。

 ・メールマガジンをお届けしています。ご希望の方は、上記ホームページよ
  り登録なさってください。