寂しい男性は、心臓疾患になり易い

● 寂しい男性は、心臓疾患になり易い

 若い人はご存知ないかもしれませんが、俳優の鶴田浩二さんは、背中から郷
愁が滲み出ていて、男性の魅力たっぷりの人でした。
 ところが今回、そのような寂しさをたたえた男性は、心疾患になりやすいと
いう話題です。

 最近の米国の研究によると、友人が少なかったり、家族がいない男性は、炎
症を引き起こす血液成分が高くなっており、その結果、心疾患に陥りやすい事
がわかりました。

 これは、ワシントンDCで開かれた、米国心疾患年次総会(American Heart
Association's annual conference on cardiovascular disease, epidemiology
and prevention)で報告されたものです。

 研究は、Framingham心臓研究の一環として1998年〜2001年に行われたもので、
平均年齢62歳の米国人男女3,267名について調べたものです。

 これらの人の、血液中の炎症マーカーであるインターロイキン6(interleukin-6,
IL-6)レベルを測定し、同時に、結婚歴、信頼できる親戚や友人の数、信じて
いる宗教の有無、仕事以外の社会活動などについて調査しました。

 その結果、IL-6のレベルが高く、また社会生活の度合いの低い男性では、心
疾患に罹るリスクが高い事がわかったそうです。

 面白い事に女性の場合では、心疾患の罹患率と、このような社会生活の有無、
血液中の炎症マーカーとの関係は見られなかったそうです。
 女性の場合は、他の人との関係については、質よりも量が問題となるのかも
しれないとこの研究者は考えているようです。

 さて、炎症反応は血液中の白血球により引き起こされますが、その結果、血
管壁が詰まるアテローム動脈硬化が起こりやすくなる事が知られています。
 従って、炎症マーカーであるIL-6が高いと、心疾患などの循環器系の障害が
起こる事は十分に考えられます。
 また、社会生活がうまく行かないと炎症マーカーの値が高くなる理由として、
社会生活がうまく行かない男性は、健康状態が悪く事が多く、またストレスを
感じた時に気分を晴らす事ができず、ウツ症状が出やすくなることが考えられ
るそうです。

 そして、健康であるためには、よい友人と家族を持つこと、地域コミュニテ
ィに参加すること、社会活動を行う事、そしてよいパートナーを持つことであ
るとしています。

 男性の皆様、孤立して寂しい人生は、健康にも良くないようですのでご注意
くださいませ。

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