肥満と収入の関係:肥満は低所得層よりも、高所得層で増加。

●肥満と収入の関係:肥満は低所得層よりも、高所得層で増加。

 収入が増えると、肥満になり易くなるという話題です。当たり前のように聴
こえるかもしれませんが、今までの説では、肥満は低所得者層に多いとされて
いました。

 しかし、今回の調査で、所得の多い家庭でも肥満の問題が大きくなりつつある
事が分かりました。

 これは、アイオワ大学のJennifer G. Robinson博士らが、ワシントンDCで開
かれた、米国心疾患年次総会(American Heart Association's annual conference
on cardiovascular disease, epidemiology and prevention)で報告したも
のです。

 研究では、1971年〜1974年の間、及び2001年〜2002年の間の、米国人家庭の
収入と、身長と体重の比であるBMI(body mass index)との間の関係を調べまし
た。

 その結果、2001年〜2002年の1年間に6万ドル以上の収入があった家庭では、
26.8%が肥満家庭であり、この所得層では30年間に肥満傾向が高くなっており、
1970年代に比べて2.76倍も増加していたそうです。

 その一方で、年間2万5千ドル〜6万ドルまでの家庭では、その増加率は1.94-
2.09倍に留まっており、さらに年間2万5千ドル以下の低所得者層では、肥満家
庭への増加率は更に低く、22.5%から32.5%にしか増えていない事がわかりまし
た。

 この結果は、今までよく言われているような“肥満は貧民に多い”とする説
と矛盾するものです。この説では、貧民層はカロリーの高いファーストフード
を食べる機会が多く、健康な食事をしないので、肥満になりやすいとするもの
です。
 しかし今回の結果は、そのような単純な説では説明がつかず、肥満が複雑な
社会背景から生じていると、研究者等は指摘しています。
 
 裕福になると美食を求めて外食するようになり、その一方で運動しないため
ではないかと言う意見もあるようです。
 しかしどのような理由にしても、肥満を解消するにはカロリー摂取を落とし、
運動をする他にはよい方法はありません。

 毎日必要以上に100キロカロリーづつ取るとしたら、一年で10ポンド(約4.5kg)、
300キロカロリー多く取ると300ポンド(約13.5kg)体重が増加するそうですの
で、お金持ちの方も、そうでない方もお気をつけ下さいませ。

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<心に効く、言葉のサプリメント

 「ただ健康のみが人生なり。」      (ハーゲドルン、「警告詩」)

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