関節リウマチ:心臓疾患による死亡率を高める

●関節リウマチ:心臓疾患による死亡率を高める

 関節リウマチの患者さんは、日本国内だけでも70万人もおられ、女性に多い
のが特徴の疾患です。
 原因は未だに不明で、自己免疫疾患のひとつであることしかわかっていませ
ん。
 勿論、関節リウマチに対する薬もさまざまあるのですが、どれも対症療法を
越えてはいないのが現状です。

 さて、関節リウマチで悩んでおられる方は本当に辛い思いをされているので
すが、それでも死に至る病いではなく、QOL(生活の質)を低下させるものであ
るとされていました。
 しかし、どうもそうとばかりはいえず、リウマチ患者さんは心臓疾患などで
亡くなる場合が多いという話題です。

 これはリウマチ学会誌(Journal Arthritis & Rheumatism)にメイヨークリ
ニックのHilal Maradit Kremers博士が報告したものです。

 研究では、600名の関節リウマチの患者さんの死亡原因などの調査を行ったそ
うです。
 その結果、リウマチ患者さんは急性の心臓発作で入院する率が通常の人に比
べて3倍も多く、また無意識下で発生する心臓発作の率も5倍も多いことがわ
かりました。
 この危険率の上昇は、コレステロールや血圧、肥満、アルコール中毒などと
は連関していなかったそうです。

 この結果から研究者等は、リウマチと心臓疾患はなんらかの関係があり、同
一の起源から起こっている可能性もあるのではないかと述べています。

 今まで、関節リウマチが心臓発作と何らかの関係があるとはされていなかっ
たので、今後の治療や原因を考えるうえで重要な報告であるとされています。

 その一方で、リウマチ患者さんの多くは痛みを抑えるために鎮痛剤を服用し
ますが、そのために心臓病が起こる際の前兆である胸の痛みに気づくことが少
なくなっていることが、死亡率の増加と関係しているのではないかとする研究
者もいるようです。

 ところで昨年のリウマチ学会で、今まで“慢性関節リウマチ”と呼ばれてい
たのを、慢性の2字をとり、“関節リウマチ”とされるようになりました。
 即ち、慢性の病ではなく、治療できるという事なのです。
 今後どんどん新しい薬が出てきますので、希望をもって治療に専念されます
よう。

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