潰瘍性大腸炎を緩和するサプリメント

● 潰瘍性大腸炎を緩和するサプリメント

　潰瘍性大腸炎は、粘膜が侵されて、びらんや潰瘍を形成する炎症で、粘血便
や下痢等の症状がおこります。特に30歳以下の成人に多く発症するのですが、
残念ながら未だに原因は不明で、細菌、ウイルス、免疫異常から、自律神経障
害などの精神的な面、或いは食事とも関係があると云われています。

　そのための薬としては、プレドニゾンのような副腎皮質ステロイドホルモン
が治療に使われます。しかし、ステロイドホルモンは強い副作用がでやすく、
またホルモン治療を中断すると約１／４の人にリバウンドといわれる症状の悪
化がみられます。

　このように潰瘍性大腸炎は非常に厄介なものなのですが、今回、魚油、繊維
質、及び抗酸化物からなるサプリメントが、潰瘍性大腸炎の症状緩和に有益で
あるというニュースです。

　これはクリーブランド医療基金のDouglas Seidner博士が、「消化器及び肝
臓医学」誌（Clinical Gastroenterology and Hepatology, April 2005;
vol 3: pp 358-369）に報告したものです。

　研究では、５９名の患者さんに６ヶ月間にわたって、カロリー摂取量を１／３
にしながら、８オンスの液体状のサプリメントを毎日２瓶づつ飲んでもらい、
プラセボ偽薬を摂った６２名の患者さんとその効果を比較しました。
　なお、この研究は米国医療センターで行われたもので、参加した患者さんは
過去６ヶ月間、軽度〜中程度の潰瘍性大腸炎の患者さんだったそうです。

　その結果、サプリメント群及びプラセボ群も共に、便の頻度や直腸からの出
血症状が緩和しましたが、サプリ群はプラセボ群に比べて明らかに、必要とす
るステロイドホルモン量を少なくすることが出来たということです。
　また、気になる副作用についてですが、サプリ群は体重が増える傾向にあり
ましたが、それ以外の重大なものは見られず、現行の処方薬に比べて非常に安
全なものだったそうです。

　研究者によると、このサプリメントは、処方薬に取って代わるものではなく、
標準的な治療法を補完するもので、早く症状が緩和させたり、あるいは処方薬
の量を減らしたりするのに有効としています。

　ちなみにこのサプリは、魚油からとったオメガ−３脂肪酸、短鎖の脂肪酸を
持つ可溶性繊維質、及び抗酸化物質からなるものだそうです。また、このサプ
リメントをカロリーが高いために、カロリー制限をしないでこのサプリを摂る
と肥満になりうるということですが、今までのようなホルモン製剤だけに頼る
潰瘍性大腸炎の治療の一助になる事が期待されます。

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＜心に効く、言葉のサプリメント＞

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