ピル:肥満女性には効き目が悪くなる
●ピル:肥満女性には効き目が悪くなる
国内では経口避妊薬低用量ビルが、医師の処方が必要な「要処方せん薬」と
して認可されており、女性が自らの意思で避妊する道が開けています。
実際にピルを服用される方も多くなっていますが、今回避妊希望をする人で
も体重オーバーや肥満の人では、避妊効果が弱くなっている事がわかったとい
うニュースです。
これはシアトルにあるFred Hutchinson癌研究センター(Fred Hutchinson
Cancer Research Centre)のVictoria Holt博士らが、Obstetrics and Gynaecology
誌に報告したものです。
研究者等は、248名のピル使用中に妊娠した女性、及び533名の同様のピル使
用で妊娠しなかった人とについて、BMI(Body Mass Index)を比較しました。
ご存知のようにBMIは、体重(kg)を身長(m)の2乗したもので割った数値で、
一般に体重オーバーの人はBMIが25、肥満は30以上とされています。
その結果、体重オーバーの人ではピルの効き目が悪くなって、妊娠する率が
高く、BMIが27.3以上ではその傾向がさらに顕著な事がわかりました。 実際、
過体重の女性ではピルの効果が悪く、妊娠率が60%以上高くなっており、肥満の
人では70%以上だということです。
避妊ピルは通常99%の有効率をもち、妊娠を100人中1人以下にまで抑える事
が出来るとされていますが、過体重の人では100人あたりに2-4名にまで増加し
ていたそうです。
理由として、体重が多くなるに連れて相対的に血中のピル成分量が低下して
効き目が悪くなったか、あるいはピルによる分泌されるホルモンのレベルが肥
満のために十分量にはならないなどの可能性があるそうです。
また、肥満した人では肝臓にある薬物代謝酵素が多いために、ピル成分が分
解されやすくなっていることも考えられるということです。
薬の量は、通常の体格の人を対象として決められていますので、体重が多い
人では当然薬の効き目が悪くなる場合も考えられます。
しかし今のところ、個人個人の体重などを勘案して薬が処方される事はまれ
です。
このようなパーソナルメデシン(オーダーメイド医療)が完成するまでは、
自分で体重などを適正にしておいた方が何かとよさそうですね。
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