C型肝炎に乳成分のラクトフェリンが効果
C型肝炎でお悩みの方が、国内だけで200万人いらっしゃいます。このC型肝
炎は、HCVと呼ばれる肝炎ウイルスの感染で起こる感染症のひとつです。
C型肝炎を罹った人は、かなりの頻度で慢性肝炎から肝硬変、そして肝癌へ
と病気が進展するため、幾つかあるウイルス性肝炎の中でも最も厄介なものと
なっています。
最近は治療法も進んできており、インターフェロン(或いはペグインターフ
ェロン)とリバビリンの併用療法で、体内からウイルスをかなりの効率で排除
出来るようになってきましたが、それでもそれらの薬の有効率は、ウイルスタ
イプにより異なりますが、50%程度とされています。
また、このような薬を使用した場合には、膨大な治療費の負担が必要で、ま
た副作用が生ずることも多いため、依然として患者さんにとって苦しい病気で
ある事は変わりありません。
ところが今回、安価で比較的簡単に手に入れる事のできる乳成分のラクトフ
ェリンが、C型肝炎の治療に有効であるというニュースがありました。
これは、横浜市立大学市民総合医療センターの田中克明教授らの臨床試験で
確認されたものです。
研究では、インターフェロンが効きにくいウイルス(1b型)に感染したC型
慢性肝炎患者さん40人に、母乳や牛乳に含まれるたんぱく質「ラクトフェリン」
錠剤を投与し、その効果を調べました。
“インターフェロンと抗ウイルス薬リバビリンに加えて、ラクトフェリン錠
剤を投与する群”、および“これら2つの治療薬とラクトフェリンの入らない
プラセボ偽薬を投与する群”に分け、ウイルスの排除率の比較を行いました。
半年間の治療薬投与の後に、さらに半年経過した時点で効果を調べたところ、
ラクトフェリン錠剤をのんだ患者さんのうち26%はウイルスが消失し、プラセ
ボ偽薬の患者さんでのウイルス消失率(約15%)よりも、1.7倍も効果が高くな
っている事がわかりました。
また、ウイルスの排除率だけでなく、実際に肝機能改善にも大きな効果が見
られていたということです。
ラクトフェリンは、食品の粉ミルクなどに多く入っている物質で、また母乳
100ml中に約0.1g、特に初乳には同1gも含まれているもので、以前から感染防
御物質として注目されていました。さらに、最近は抗がん作用も報告されてお
り、安価にかつ簡単に手に入るものですので、その有用性に期待が持てます。
今後更に詳しい研究が進められ、C型肝炎でお悩みの方に希望をなる事を祈っ
て止みません。
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