歯周病:心臓疾患と関係!

歯周病:心臓疾患と関係!

 歯磨きをきちんとなさっていますか? 
 口の中は食べ物のカスが豊富で、且つ温度が37℃と、細菌の繁殖にもってこ
いの場所です。ですから、もし歯磨きが不十分だと様々な細菌が繁殖します。
中でも歯周病菌は歯を抜け落とさせる怖い存在です。

 ところが今回この歯周病菌が、心臓疾患の原因にもなるという気になるお話
です。
 これは、コロンビア大学のMoise Desvarieux博士らが、Circulation,2005;
111:576-582.)に報告したものです。
 今までも、歯科及び循環器系の研究者らは、慢性的な歯周病菌の感染が血管
障害の原因や増悪と関係しているのではないかと考えていました。
 しかし今までの研究は、歯が抜け落ちるなどの歯周病の間接的なマーカーと、
循環器系疾患との関連を見たものなどしかなく、直接の関係を調べた研究はあ
りませんでした。

 そこで、今回の研究では660名の高齢者の口内バクテリアの数と種類を調べ、
同時に血管の厚さを超音波検査により検査しました。なお今回の調査では、脳
へ血液を送る頚動脈の厚さを調べたそうです。
 その結果、口内バクテリアが多い人では血管がより厚くなっており、頚動脈
血管の内部が狭くなっていることがわかりました。
 また、そのバクテリアの種類を詳しく調べたところ、歯周病を起こす細菌で
ある事が確認されました。
 この研究者によると、歯周病菌が慢性的に存在していると身体の応答システ
ムに影響し、体内に高レベルの炎症関連物質が産生される様になり、その結果
徐々に体全体の血管壁が厚くなったとしています。

 歯周病は風邪のように短期で終わるものではなく、慢性的な感染症のひとつ
ですので、先ずはこの細菌を除去する事が重要です。
 今回の研究で明らかになったように、歯磨きは歯が抜け落ちるのを防ぐだけ
でなく、血管の健康も保つという事ですので、是非歯磨きを励行なさってくだ
さい。

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