赤身の魚は、血液をサラサラにして脳卒中を予防する

●赤身の魚は、血液をサラサラにして脳卒中を予防する
 
 ドロドロ・サラサラの血液についての実験を、テレビでよく見ます。血液ド
ロドロの状態は万病のもとで、是非ともサラサラ血液にしておきたいものです
が、そのためにはバランスのとれた食事・適度な運動・ストレス対策などが重
要です。
 また、サラサラ血液にする近道は食事内容を改善することで、活性酸素を除
去してコレステロールの酸化を防ぐものや、血液の流れを良くするものが良い
とされています。活性酸素を除去するには、カテキンイソフラボンなどのポ
リフェノール類、ビタミンC、ビタミンE、βカロチンなどのビタミン類が有
効です。また血液の流れを良くするには、DHA(ドコサヘキサエン酸)・EPA
(エイコサペンタエン酸)・クエン酸オレイン酸などを含む食品をとると効
果的です。

 以上はよく知られていることですが、今日は更に赤身の焼き魚が、ドロドロ
血液でおこる“心房細動”が防ぐという話題です。
 これは米国の高齢者約4,800人について、12年間にわたって追跡したCHS
(Cardiovascular Health Study)研究の結果で、米国心臓協会が発行する
Circulation誌(2004, July; タイトル:Fish Intake and Risk of Incident
Atrial Fibrillation )に、Dariush Mozaffarian博士らが報告したものです。

 心房細動は、血液がドロドロで血栓ができやすくなっており、その結果血管
を詰まらせて“心原性脳塞栓症”を引き起こすもので、長嶋茂雄さんが倒れた
原因でもあります。今までも、魚好きの人に脳卒中が少ないことは報告されて
いましたが、脳卒中の原因である心房細動が少ないことが実際に証明されたの
は今回が初めてだそうです。

 研究は、米国在住の65〜100歳(平均年齢72.8歳)の男女が参加したもので、
研究開始時点で心房細動を起こしておらず、魚を含む食生活データがそろって
いた4,815人を解析対象にしました。
 これらの参加者について、12年間にわたり健康診断などを行って調べたとこ
ろ、980人がその間に心房細動を起こしましたが、焼き魚をよく食べる人(週1
〜4回)は、あまり食べない人(月1回未満)に比べて、心房細動の発症率が
29%も低くなっていたそうです。
 
 赤身魚には、EPADHAといった、オメガ3系の多価不飽和脂肪酸が多い事が
知られています。今回の調査でも、赤身の焼き魚をたくさん食べる人ほど血中
EPADHA濃度が高い事が確認されており、”心房細動の予防効果”はオメガ
3系油の血液サラサラ成分による効果であろうと考えられます。

 皆様、寿司屋の大トロばかりではなく、時々は焼いた赤身魚を召し上がって
は如何でしょうか。

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 「大胆に行うことが成功への秘訣である」  (詩人:ハイネ)

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