肥満女性は、急性骨髄性白血病にかかりやすい

●肥満女性は、急性骨髄性白血病にかかりやすい


 肥満は糖尿病をはじめとした様々な生活習慣病の原因ですが、癌にもかかり
やすくさせるという怖いお話です。

 この報告は米国ミネソタ大学の研究者等が、「がん疫学・バイオマーカーと
予防医学」誌(Cancer Epidemiology, Biomarker & Prevention, 2004, Nov.)
に報告したもので、肥満を気にする女性の間で話題となっています。

 急性骨髄性白血病(AML)は、日本での発症頻度は人口10万人に6人程度の人
がかかる骨髄性の癌です。遺伝性の疾患ではありませんが、骨髄細胞中の染色
体が異なる染色体に移動して(転座といいます)発病するとされているもので
す。

 今回の報告によりますと、中高年の肥満女性は急性骨髄性白血病に罹る危険
率が極めて高く、AMLの患者さんの約3人に1人が肥満体質であったという事
です。
 研究では3万7,000人以上の女性について約14年間追跡し、AMLと肥満との関
係を調べました。
 これらの方々はいずれも研究開始時には癌を発症していなかったのですが、
研究期間中に200人の人が白血病を発症し、うち74名の方が急性骨髄性白血病
になったそうです。
 次に、これらの方のBMI(Body Mass Index, 体格指数)を調べたところ、
BMI値の上昇とともにAMLの発症リスクが増加しており、55歳以上の太りすぎの
女性(BMI=25〜29)では危険率が90%も高くなっていることがわかりました。
 特に、肥満とされるBMIが30以上の場合では、正常体重の女性に比べて約2.4
倍もリスクが高くなっていたとのことです。

 一方、BMI値の上昇しても他の白血病になる人は増加していなかった事から、
肥満で発症リスクが高くなるのはAML特有の現象と考えられるそうです。

 AMLはあの美しかった夏目雅子さんの命を奪った病気です。「なめたらいか
んぜよ」とすごむシーンを思い出しますが、皆様も”美人薄命”とならないよ
う、「肥満をなめたらいかんぜよ」。

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