● カレー粉: アルツハイマー性痴呆を抑制し、更に白血病も抑える。


 私達がよく食べる、カレーが健康によいという、2つの研究が相次いで報告さ
れました。
 ひとつは、アルツハイマー性痴呆を抑えるというもので、もうひとつは小児
白血病の抑制に有効であるというものです。

 ご存知のようにウコン(ターメリック)はカレーの黄色成分で、このウコン
に含まれる「クルクミン」が様々な効果をもたらす事がわかっています。
 例えば、クルクミンには強い抗酸化作用や解毒作用があり、生活習慣病の予
防に効果があります。
 また、肝機能の改善や食欲不振などに対しても効果があり、基礎研究では抗
ガン作用や抗菌作用が認められているものです。


アルツハイマーを予防

 クルクミンが、アルツハイマー病の原因となる物質の生成を防ぐことが、金
沢大大学院の山田正仁教授らの研究でわかり、東京開かれた日本痴呆学会で9月
30日発表されました。
 カレーをよく食べるインド人は、米国人に比べアルツハイマー病の発症率が
4分の1しかないことが知られています。
 また、クルクミンを混ぜた餌で育てたマウスは、痴呆症状を発症しにくいこ
とが分かっていました。
 ところで、アルツハイマー病は、脳内で「アミロイドベータ(Aβ)」とい
う物質が作られ、その毒性により神経細胞が死んでいくのが原因とされていま
す。
 そこで研究チームは、Aβを含む溶液にクルクミンを加えてその影響を調べ
ました。
 その結果、毒性の本体である線維化が大幅に抑えられ、更にすでに線維化し
たAβにクルクミンを加えると、その線維が分解する事を見つけました。
 この結果から研究チームは、クルクミンにアルツハイマー病を防ぐ直接の効
果があり、食生活の改善で発症を遅らせられる可能性があるとしています。
 現在はアルツハイマー痴呆に有効な治療薬はありませんが、この発見は今後
の治療薬の開発につながるほか、痴呆予防の食生活改善法として役立つと期待
されます。


② 血液癌である白血病の予防

 この報告は、シカゴのLoyola大学医学センターの研究チームが明らかにした
もので、ウコンが癌の発生を抑えるとしています。
 この報告は2004年9月ロンドンで開催された、小児白血病大会(the Children
With Leukaemia conference)で発表されたものです。
 今までもアジア諸国での子供の白血病が少ないのは、ウコンをたくさん食べ
るからといわれていました。
 そこで、シカゴのLoyola大学Moolky Nagabhushan教授らは、慢性白血病
細胞CLL(chronic lymphocitic leukaemia)に、ウコンの主成分であるクルク
ミンを与えて培養したところ、癌細胞の増殖を抑制することがわかりました。
 クルクミンは消化管において、テトラヒドロクルクミンというさらに強力な
抗酸化力をもった物質に変化することが知られています。
 従って、これらの抗酸化作用が、CLLの抑制に有効ではないかと考えられます。
 さらに、クルクミンの抗ガン作用は、アポトーシスによる機序、血管新生の
抑割、細胞増殖に関与する情報伝達経路の阻害など、複数のメカニズムが複合
的に作用しあって効果を示しているものと考えられます。

 カレーは日本人の大好きな料理だけに、非常に心強く感じますね。

△▲△▲△▲△▲△▲△▲△▲△▲△▲△▲△▲△▲△▲△▲△▲△▲△▲△

<心に効く、言葉のサプリメント

 「ハンディはハンディと思わなくなったとき、
新しい世界へ通じるドアのノブに変わるのです。
  この人生のからくりに気付くと、
  ウーンとうならざるを得ません。」   (神渡 良平)

□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□

 今日の話題は如何でしたか?

 ・既刊号は、ホームページ「http://www.drhase.info」をご覧下さい。

 ・メールマガジンをお届けしています。ご希望の方は、上記ホームページよ
  り登録なさってください。