フラバンジェノール：癌の予防、老化防止、血糖コントロールに。

●フラバンジェノール：癌の予防、老化防止、血糖コントロールに。

　10月5日〜7日東京で開催された、”食品開発展2004”に参加しました。
　これは、20カ国から400社以上が集った国際展で、世界で注目されている健
康・機能性食品が数多く紹介されていました。　

　中でも、松の樹皮に含まれるフラバンジェノール（ピクノジェノール）配合
のサプリメントが人気を集めていましたので、今日は話題に取り上げてみまし
た。

　
（１）フラバンジェノールに、脳細胞を活性酸素から守る働きがある。

　この研究は、東京大学久恒辰博助教授らの研究でわかったもので、マウスに
１週間フラバンジェノールを含む市販の飲料を与えると、脳で活性酸素を発生
させた時に受ける神経細胞のダメージが、約半分に軽減したというものです。
　ご存知のように活性酸素は細胞を傷害し、がんや老化などの原因になる事が
わかっています。
　従って、高齢化社会の到来で問題となっている痴呆防止などに、このフラバ
ンジェノールが役立つのではないかと期待されています。

（２）フラバンジェノールが、糖尿病の血糖コントロールを改善する。

　この報告は、Muenster大学薬学部Peter Rohdewald 博士らが、Diabetes
Care誌（2004、27:839）に行ったものです。
　28-64歳の男女30人の軽度糖尿病患者を対象にして、フラバンジェノール入
りのサプリメンとを投与し、その効果を調べました。
　その結果、用量依存的に、血糖値を低下する作用が確認できたという事です。

　フラバンジェノールは、フランス南西部からスペイン国境にかけて生息する
フランス海岸松の樹皮から抽出された天然成分で、お茶の抗酸化物質カテキン
が数個連結した構造からなっています。
　ビタミンＣの600倍の抗酸化作用があるとされ、今回ご紹介した報告以外に
も、血圧降下作用や、LDLコレステロール低下作用が確認されています。

　今後、人気になるサプリメントと思われますので、注目したいと思います。

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＜心に効く、言葉のサプリメント＞

「一人の科学者の一生の研究時間なんてごく限られている。
　研究テーマなんてごまんとある。ちょっと面白いなという程度でテーマを選
　んでたら、本当に大切なことをやるひまがないうちに一生が終ってしまうん
　ですよ。だから、自分はこれが本当に重要なことだと思う、これなら一生続
　けても悔いはないと思うことが見つかるまで研究をはじめるなといってるん
　です。科学者にとって一番大切なのは、何をやるかです」
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（ノーベル賞受賞　利根川進）

　たんに科学者へのメッセージだけでなく、人生の指針となる言葉ですね。　

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