低酸素濃度が、高齢者の運動能力を向上

● 低酸素濃度が、高齢者の運動能力を向上


 アテネでのオリンピックも終わってしまいましたが、次の北京を狙う選手達
は、既に始動しているのではないかと思います。
 このような選手達は、酸素のうすい場所での“高地トレーニング”をよく行
います。
 ご存知のように、酸素が希薄な2000〜3000mの高地でトレーニングすること
により、肺への換気量および最大酸素摂取量を高めるものなのですが、特にマ
ラソンなどの長距離選手に有効であることはよく知られています。

 さて、この高地トレーニングは運動選手が対象となるものですが、今回この
ような低酸素下で呼吸を行うだけで、高齢者の運動能力が高まり、健康増進や
QOLに役立つことが報告されました。

 これは、オーストリアInnsbruck大学のMartin Burtscher博士らが、国際心
臓学会誌(International Journal of Cardiology, August 2004)に報告し
たものです。

 ロシアでは民間療法として、このような低酸素療法があるそうですが、効果
の程は定かではなかったそうです。

 そこで研究者等は、16名の健康な高齢者について、この低酸素療法の効果を
調べました。
 なお、このうちの8名は、この療法を始める前の2ヶ月以内に心臓発作になっ
た人だったそうです。

 療法といっても、低酸素の空気中で数分間呼吸し、次いで通常の空気を吸う
という簡単なものなのですが、これを週5回、3週間にわたっておこないました。

 そして、低酸素療法を始める前及び終了3日後に運動能力を調べ、普通の空気
を吸いつづけた人と比較しました。
 その結果、低酸素療法を受けた人は、赤血球数とヘモグロビン量が大幅に増
加しており、血液による酸素供給量が強まっていることがわかりました。

 さらに、心拍数や血圧の変化を調べたところ、低酸素療法は酸素供給能力だ
けでなく、運動能力も高まっている事が確認できました。
 また、以前心臓発作などの障害を持つ男性にも、同様の効果があったそうで
す。

 運動選手の行う高地トレーニングの効果は、最低約2週間は持続するといわ
れていますが、今回の高齢者に対する効果がどれくらい続いているかも気にな
ります。
 しかし、この方法は簡単に行えますので、今後高齢者の体力の増強や健康増
進を目的として、広く行きわたるかもしれませんね。

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 チャップリンは元来、はにかみ屋で内向的な性格だったそうです。
 けれども、自分の力を信じて、願望を達成しようとしました。
 そして、ついにあのような偉大な喜劇俳優になったのだそうです。

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 「宇宙にある力が地球を動かし、木を育てる。
  人生はすべて願望だ。意味じゃない!
  バラはバラになろうと望んでいる。
  岩は岩になろうと望んでいる。
  宇宙にある力が地球を動かし、木を育てる。
  君の中にある力と同じだ。
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