男女に効く、性機能改善薬

●男女に効く、性機能改善薬

　バイアグラとかレビトラなどの効き目をうたった広告が、よく電柱などに貼
ってあります。
　これらの薬は、確かに男性には効くのですが、女性の性機能の改善効果につ
いては疑問視されているにも拘らず、使用する人が後を絶たないようです。

　ところが今回、男性はもとより、女性の性機能をも改善するという、新薬に
関するニュースが発表されました。

　これは、全米科学アカデミー誌（the Proceedings of the National Academy
of Sciences, June 28, 2004）の6月号に報告された論文の内容で、この権威
ある科学誌に性機能改善薬の研究結果が載せられるのは異例の事です。

　報告をおこなったのは、カナダ・コンコルディア大学の神経科学教授James
G. Pfaus氏らで、PT141と名づけられた、米国ニュージャージー州にある Palatin
Technologies Inc.が開発中の新薬についてです。
　
　このPT141は、中枢神経に存在するメラノコルチン受容体に作用する、αメ
ラノサイト活性化ホルモン（alpha-melanocyte-stimulating hormone）の類
似化合物です。
　その作用機構から考えて、バイアグラのように男性だけでなく、女性にも有
効であると予想されていました。
　そして実際に、今回はじめて、オスラットだけでなく、メスラットの発情を
促すことが明らかになったものです。

　実験では、メスラットにPT141を投与し、オスラットと同じ部屋に入れたそ
うです。
　するとメスラットは、オスラットに対して激しい挑発行動を起こし、性的な
接触を求める発情状態となりました。

　バイアグラやその他の薬は、男性の陰茎への血流を増大させて勃起を起こさ
せるもので、女性の性的機能に影響することは証明されていません。
　ところが、今回の実験で、PT141は女性にも効く媚薬である可能性が明らか
になったのです。

　現在のところは、ラットを用いた実験で証明されたに過ぎませんが、今後は
人を対象とした研究が始まるという事で、非常に注目を集めています。

　実際に、ワシントン大学のHunter Wessells博士らは、薬を鼻スプレーとい
う形で男性に与えたところ、性的な興奮をもたらしたことを報告しています。
　また、女性を対象にした研究もはじまっているようです。

　医薬品が発売の許可を取るには、非常に厳しい審査を通る必要がありますが、
2005年半ばには第３相試験（Phase3 trial: 新薬の有効性・安全性を確認す
るため、多数の患者さんに対して行う試験）を開始し、早い時期に最終的な米
国食品医薬品局（FDA）の承認を得たいとしています。

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＜心に効く、言葉のサプリメント＞

　ベートーベンの交響曲第5番「運命」の基調テーマは、「苦難を乗り越えて
勝利に至る」です。
　彼自身が難聴で苦しみ、失恋も重なった絶望の時期に、それを気力で克服し、
再び創造の喜びに至るプロセスを旋律にしたものだそうです。

　その中の第九交響曲の製作中に、友人に次のようの手紙を送っています。

「私たち有限の人間は、ひたすら悩んだり喜んだりするために生まれています
が、ほとんどこういえるでしょう。
”最も優れた人々は、苦悩を突き抜けて歓喜を獲得するのだ”と」
　　
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