病は気から。痛みは心から。

●病は気から。痛みは心から。


 病は気からと昔からいわれています。

 現代医学では、“プラセボ”といって、気持ちの持ち方だけで病気が良くな
ったり、薬の効き目が変わったりする事がよく知られています。
 実生活でも、心の持ち方ひとつが、色々な方面に影響する事が実感できます。

 さて今回、原因不明の疼痛は、心で起こっている可能性が高いという話題で
す。

 これは、最新のNeuroImage誌(August, 2004)に報告されたもので、ある種
の痛みの感覚は、実際の肉体上ではなく、脳内で起こっているものがあるとい
うことです。

 特に、原因不明の腰痛などは、肉体そのものからというよりも、脳の中で起
こった痛みの感覚を感じているのだそうです。 

 研究は、ロンドン大学およびピッツバーグ大学の研究者が、8名の人について、
脳波や画像診断などの最新の医学機器を用いて調べました。

 その結果、ある人は催眠状態でも痛みを感じており、実際に起こっている肉
体的な痛みとは異なるものだったということです。
 但しその痛みは、本当に肉体で起こる痛みと同様、激しいものだそうです。

 英国民の7名中1人が慢性の疼痛の悩みを抱えているそうですが、そのうちの
多くは精密検査でも原因がはっきりしないものです。
 今回の発見は、原因不明の疼痛が、このような精密検査の間違いや医師の誤
診ではないことを示しています。
 また、このような痛みは、仮病とか単なる精神的なものだと片付けられたの
ですが、そのような幻覚ではない事が明らかになったわけです。

 今回の発見で、疼痛が肉体上の痛みかどうかを区別することで、治療方法の
選択が可能になります。
 例えば、肉体上の痛みでは鎮痛剤で治し、一方脳内で生じた疼痛では、催眠
術などで治療するというものです。

 そういえば、交通事故などで手足を失った人が、無いはずのところが疼くと
いう話を聞きます。

 心が体に及ぼす影響を調べる研究が進み、心から生じた痛みや苦しみがよく
なる道が拓かれますよう・・・・。

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<心に効く、言葉のサプリメント

 心身医学で著名なカール・サイモントン医師は、長年にわたる診察の中で、
「同じような癌をもちながら、健康を回復する患者もいれば、短期間で死んで
いく者もいる。この違いは一体なんだろうか」という疑問をずっと抱いていま
した。
 そしてついに、患者の精神状態と癌の進行との相関関係を見出しました。

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 「生きようとする強い意志をもち、ポジティブな心をもつ人のほうが、
  ネガティブな心をもつ人よりも、はるかに治療効果が出る」
       (カール・サイモントン「がんのセルフ・コントロール」)
  
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