国民の半数が不眠症。 7割が睡眠に不満

<国民の半数が不眠症。 7割が睡眠に不満>

 

以前から、「日本人成人の20%が慢性的な不眠」とか、「日本人成人の15%が日中に過剰な眠気を感じている」などの統計結果が発表され、“日本は不眠大国”の汚名が着せられてきました。

今回寝具メーカーが調べた結果でも、日本人の約半数に不眠症の疑いがあり、7割の人が睡眠に不満を持っていることが分かりました。

これは、寝具メーカー東京西川(東京都中央区)が全国の男女を対象とした意識調査を行い、発表したものです。  

同社は7月、全国の18~79歳の男女1万人を対象にインターネット調査を実施し、不眠症について、「寝付き」「睡眠の質」「日中の眠気」といった国際的な基準に照らし合わせて、分析を行いました。

その結果、「不眠の疑いあり」が49.3%、「不眠の疑いが少しある」は18.2%、「心配なし」が32.5%だったそうです。

「不眠の疑いあり」は20代が最多の61.1%で、30代(58.5%)がそれに続いていました。  また、睡眠の質では、「満足」が31.8%にとどまり、「少し」や「非常に」などを合わせた「不満」が7割近くに上っていることが分かりました。

逆に、「満足」は40代が最低の23.6%で、30代が次に少ない25.2%でした。

この結果から、同社は「働き盛りや子育て世代で満足な睡眠が得られない実態が明らかになった」としています。  睡眠時間が足りているかとの問いでも、「十分」と答えた割合は40代が最低の26.1%で、30代の28.1%が続いていたそうです。

 

いけませんね!

まずは生活習慣の見直し、そしてお医者さんと相談することが大切です。

感情は感染する:マウスの脳で確認

<感情は感染する:マウスの脳で確認>

 

怒りや恐怖の感情から、あるいは幸福感といったさまざまな感情も他人にも伝わり、伝染することは体験的によく理解できます。

このことは特定の脳領域に関する研究でも確認されていますが、今回さらに、ストレスは脳の特定の構造に変化を生じさせ、その変化が周囲にいる他者の脳にも同様に生じることが明らかになりました。

これは、カナダのカルガリー大学カミング校医学部の研究者らが、英科学誌ネイチャー・ニューロサイエンスに発表したものです。  研究はマウスの脳について調べたものですが、まずマウスを数組のペアに分け、それぞれ1匹だけに軽いストレスを与えました。

そしてマウスの脳を調べたところ、ストレスを受けたマウスは記憶と情動反応を司る脳領域、海馬の神経細胞に変化が生じていることが確認できました。

次に、ペアを一緒に過ごさせ、ストレスを与えていなかったマウスの脳を調べたところ、パートナーと同様の変化が見られることが分かりました。

即ち、最初にストレスを受けたマウスの脳での変化が、他のマウスにも「うつる」ことを示しています。

研究チームは、この現象を起こしたのはストレスを受けたマウスが放出する「警報フェロモン」によるもので、動物が化学物質の放出やその他の形で合図を出し、互いに危険の回避を促すことに一致すると考えているようです。  

 

勿論この実験はマウスを用いたものですから、人間に当てはまるかどうかはわかりません。

しかし、マウスの脳で変化が認められた神経細胞の構造は人間の脳にも存在することから、同様の「情動伝染」が起こる可能性があります。

また面白いことに、この感情が「うつる」という現象は「可逆的」だったそうです。

ストレスを受けたマウスとペアを組ませ、影響を受けたメスのマウスをその他のマウスの集団に入れたところ、海馬の構造が元に戻っていることが確認されました。

ストレスによって起きた脳の変化が、集団内での交流によって消失したという訳です。 ただし、オスのマウスではそうした変化は起こらなかったとのことですので、気になりますが・・・。

いずれにせよ、他人と接する際には、お互い楽しい感情で臨みたいと思います。

タバコを吸う人は、交通死亡事故のリスクが高い

<タバコを吸う人は、交通死亡事故のリスクが高い>

 

高齢者の交通事故が問題となっていますが、日常的にタバコを吸う人は吸わない人に比べ、交通事故で死亡するリスクが高いことが分かりました。

これは、東北大学の相田潤准教授らの研究グループが明らかにしたものです。

研究は茨城県の40歳以上の健康調査のデータを用いたもので、男性約3万3000人の喫煙習慣と交通死亡事故の関連について調べました。

その結果、1日20本以上たばこを吸う人は、吸わない人に比べて交通事故で死亡する危険性が1.54倍に高まることが分かりました。

相田准教授は、運転中にたばこを吸うことで事故につながっているケースが多いと分析しています。  

運転中の喫煙について道路交通法で罰則はなく、法的規制の検討が必要に思えます。

耳かきは危険

<耳かきは危険>

 

最近もあるかどうかはよく知りませんが、一時期「耳かき」を専門とする風俗店がありました。

確かに、自分でも耳かきをすると、なにやらコソバイ、気持ちよい感覚になりますよね。

しかし中には、耳垢を取るという行為を超えて、耳の中を掻くことで得られる快感が目的の人さえいるようです。

ところが、この耳かきの行為、医学的には危険です。

 

一つ目は、耳かき棒を突っ込みすぎると外耳道や鼓膜を傷つける事があるためですが、それ以外に耳かきが癖になっている、あるいは我慢できないという人は外耳道に湿疹ができている場合があるそうです。

外耳道とは耳の入口から鼓膜までを指しますが、耳垢が溜まるのはこのうち外側の半分あたりまでです。

ここを耳かきで引っ掻き回すと、皮膚が薄くなって炎症が起きて痒くなるのだそうです。

痒い所を掻けば、当然気持ちいい、だから耳かき行為はやめられない、という悪循環となってしまいます。

ちなみに耳垢にも、耳の中に侵入してきたちりやごみの吸着と保湿という立派な役目があり、外耳道や鼓膜を守っているのです。

また、耳には自浄作用があって、耳掃除をしなくても耳垢は奥から外へと自然に移動し、最後は剥がれ落ちる仕組みになっています。

実際、アメリカの耳鼻咽喉科学会では『耳掃除はするべきではない』というガイドラインまで作成しているそうです。

耳そうじをすることで得られるメリットより、リスクのほうが大きいという訳です。

たしかに、耳垢が溜まり過ぎると、耳の聞こえが悪くなることがありますので、1~2週間に1度程度、強い刺激を与えないレベルで掃除するのがよいそうです。  

その時には、綿棒を使い、風呂上りなど耳に適度な湿潤があるときにやさしくふき取る程度で十分とのことです。また、耳の中が乾いた状態の時は、少量の水やオリーブオイルなどで綿棒の先を湿らせてから使うとい良いようです。

 

とりあえず、2週間は耳そうじを我慢しましょう。

トイレのハンドドライヤーは病原菌を拡散

<トイレのハンドドライヤーは病原菌を拡散>

 

以前、トイレで手を洗った後に乾かすハンドドライヤーを使うと、病原ウイルスが拡散するので注意が必要というお話をしましたが、今回同様に、病原細菌をも拡散させるという研究が発表されました。

これはイギリス、フランス、イタリアからなる研究グループが、Journal of Hospital Infectionという医学誌に発表したものです。

研究では、それぞれの国にある病院のトイレ(1カ国1病院)で、抗生物質に耐性の黄色ブドウ球菌など、病気を引き起こす菌の広がりについて調べました。

そして、各病院のトイレのジェットドライヤーとペーパータオルで菌の広がりを比較したそうです。

その結果、いずれのトイレについてもジットドライヤーの方が菌が拡散するという結果が得られました。

例えば、イギリスの病院のジェットドライヤーのあるトイレでは、メチシリン耐性黄色ブドウ球菌が3倍多く見つかり、フランスも同様でジェットドライヤーのあるトイレで広域抗生物質に耐性のある菌が2倍多く見つかったそうです。

 

ところでこの問題については前からも議論されているのですが、ジェットドライヤー自体が悪いというわけではなく、手をしっかり洗って菌のない手をジェットドライヤーで乾かせばこんなことは起こらないはずです。

また、ペーパータオルは水と一緒に菌も吸ってくれるため、細菌が拡散せずに済みます。 ところでフランスでは、患者さんが使用するトイレではハンドドライヤーが禁止されていますが、それは音がうるさいからという理由であって、菌をまき散らすからではないようです。

以上の結果から、論文の著者らは、菌のまき散らしや汚染を最小限にするため、病院ではジェットドライヤーを設置すべきではないとしています。

という事ですので、トイレに行った後は石鹸でよく手を洗った後に、ハンカチでよく乾かすようにしたいと思います。

効率を重んじる企業を中心に、昼寝が浸透

<効率を重んじる企業を中心に、昼寝が浸透>

 

効率的に働いてもらおうと、企業が勤務時間内に昼寝を取り入れる動きが広がっています。また、短時間でも質の良い睡眠を助ける「昼寝関連ビジネス」も活発化しているそうです。

面白いことに、英語で「短い仮眠」を意味する「パワーナップ」という造語も生まれ、昼寝が仕事の効率を上げる事が、米国でも常識となりつつあります。

実際、グーグルやナイキといった有名企業が昼寝を推奨しているそうです。

日本でも、厚生労働省が「健康づくりのための睡眠指針」を発表しており、「作業能率の改善に効果的」として、午後の早い時刻に30分以内の昼寝を推奨しています。

また、老舗寝具メーカーの西川リビングは昼寝のために開発した枕「konemuri(こねむり)」を発売しています。枕の中央に穴があり、穴に腕を通したり、丸めて高さを調整したりでき、オフィスの自席でも昼寝をしやすいよう工夫したものです。  

同社では昼休み後の15分間、昼寝の時間を設けており、この枕を使っているそうです。

また、缶コーヒーで知られるダイドードリンコは、昼寝の前にコーヒーを飲む「カフェインナップ」という取り組みを広く呼び掛けており、コーヒーに含まれるカフェインの覚醒作用で昼寝からすっきり目覚めることができるとアピールしています。同社でも、昼休み中の15分程度を昼寝に充てているとの事です。  

さらに、布団掃除機を手掛けるレイコップ・ジャパンは、社内に仮眠室を設けた企業を対象に、布団の中を快適な温度に調整する家電「ふとんコンディショナー」を無償で提供しており、職場での昼寝に使ってもらうことを画策しているようです。  

 

確かに昼寝は、仕事の効率を上げるのに有効のようですが、日本の企業も“目ざとい”というか・・・。

ミントの香りは、虫に消化不良を起こさせる

<ミントの香りは、虫に消化不良を起こさせる>

 

ベランダ栽培の季節がやってきました。

中でも、ペパーミントなどの植物は害虫を寄せ付けない事から、家庭菜園などでよく使われています。

しかし、どうして害虫が来なくなるかについてはよく分かっていませんでした。

そこで研究者らが、ミントは香りが非常に強いハッカ臭を出すのでその効果について調べたところ、近くにある植物が、害虫に消化不良を起こすたんぱく質を多く作らせることが分かりました。

これは、東京理科大の有村源一郎准教授(分子生態学)らの研究チームが、米科学誌プラント・ジャーナル(電子版2018年10月)に発表したものです。

植物には香り成分の分泌によって、植物の個体間での情報をやり取りする仕組みがあるそうで、今までの研究で、植物が害虫に食べられた時に発する香りをその植物の近くにある他の植物が感知すると、害虫に消化不良を起こすたんぱく質を出させる事が明らかになっていました。

そこで、この研究チームはミントの香りに同様の効果があるかどうかを調べました。 

10種類のミントのそばでダイズを栽培したところ、ガの幼虫やダニなどが消化不良を起こすたんぱく質を作り出すRNA(リボ核酸)の量が、キャンディーミントで3.4倍、ペパーミントで2.9倍になる事が分かりました。

その時の害虫による食害を調べたところ、キャンディーミントのそばで育てたダイズは、そうでないダイズと比べ食害率を半分に抑えられていたそうです。  

この効果は、コマツナでも同様に確認され、またダイズもコマツナも、ミントとの距離が近いほど食害が少ない事も分かりました。

植物がどのように香りを感知しているのかは、まだ分かっていないようですが、この結果は低農薬栽培への応用が期待でき、注目を集めています。